当時盛んに活動していた実験映像作家たちが様々な独自の表現方法を模索していた。そうした過程で従来の平面で静止している被写膜の改良も模索されていた。ダウンタウンの若者向けメディアであったヴィレッジ・ボイスで映画評を書いていたジョナス・メカスが評論の中で、新規の被写膜として私が実験していたパラシュート・カノピーを紹介し、多くの実験映像作家からの相談を受けることとなった。その中にジャド・ヤルカット、ルーディ・スターン、ジャッキー・カッセンがいた。このうちルーディ・スターン、ジャッキー・カッセンとの共同でエア・ドーム状の被写膜、ジャッド・ヤルカットのドリーム・リールでパラシュート・カノピーを使った宙釣りで動く被写膜として実践した。2024年5月University of Pennsylvania にて再製作され展示され、音響と動く抽象的なイメージの展開が再現された。