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36. ここに鎧潟ありき(2009年)

English version is available here.「水のラビリンス」で指摘したかつて新潟市の財産であった沼、潟の実際の変遷に着目している。かつて237haを誇った鎧潟は1968年に全面干拓され、圃場へと変わった。地域の貴重なタンパク源であった豊穣な漁場は完全に消滅した。潟底から未だに土師器、須恵器をはじめ穀物、木の実、獣の骨などが出土しており、古代からの水部の豊かな生活が見てとれ...
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32. 脆弱な地域 アキテ-ヌ、ジロンド、ドルドーニュ、ランド地方の環境資源目録/ワークショップ「ボルドウが島だったとき」(プ-グ川、ドゥヴェ-ズ川の跡を探して)(2008年)

English version is available here.特筆すべきはAtelier CAPC(ボルドー市現代美術館)で行った子どもたち対象のワークショップ「ボルドウが島だったとき」。後の水都大阪での「ぼくとわたしの水都大阪」、奥能登国際芸術祭での「対馬海流・リマン海流」「偏西風」などのワークショップの雛形となった。いずれもSDGs が喧伝される前のことである。大切なのは教条的で画一的な...
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31. 東京ゼロメートル(2007年)

English version is available here.東京都現代美術館が立地する東京下町の海抜ゼロメートル地帯は、昭和20年代前半に発生したキャサリン台風、キティ台風などが襲った際の水害の実測水位の記録が残されている。個展「磯辺行久 Landscape – Yukihisa Isobe, Artist-Ecological Planner」では、同館のサンクンガーデンに面する巨大なガ...
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35. 土のオベリスク(信濃川火炎土器プロジェクトの協賛プロジェクト)(2009年)

English version is available here.信濃川流域には古くから人々が暮らしており、豊かな縄文文化があった。笹山遺跡から出土した火炎土器は日本の特筆すべき代表的な事例として評価されており、 国宝に指定されている。こうした新潟市の貴重な歴史文化遺産に関連して発案されたプロジェクトである。新潟市内に点在する縄文時代から平安時代の遺跡より出土した土器を、土の中のできるだけ自然の...
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34. 水のラビリンス(2009年)

English version is available here.新潟市域では信濃川、阿賀野川が日本海への出口を求めて長い間彷徨い、海域、汽水域、砂丘、河川、湿地、潟などの複雑な水象・地象が形成されてきた。生物を育み、農業用水・生活水をもたらした水資源は豊な自然の恩恵であると同時に、溢水、泥田、洪水、地盤沈下をももたらしてきた。市内の小中学校の生徒の協力を得て、こうした各種の水象・地象の痕跡を市...
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33. 古信濃川の自然堤防跡はここにあった(2009年)

English version is available here.旧中里村教育委員会の「久保寺南遺跡」調査によって、信濃川の段丘上に旧信濃川の自然堤防が確認されている。2000年「川はどこへいった」、2003年「信濃川はかってここより25m高いところを流れていた」の2つのプロジェクトの科学的(考古学)の根拠tとなったのがこの古信濃川の自然堤防の存在である。自然堤防(natural levee)と...
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37. 栗ノ木排水機場は近代農業土木の原点となった。(2009年)

English version is available here.昭和23年(1948年)に竣工し、東洋一と言われた栗ノ排水機場は現在、廃墟寸前の様相を見せている。1942年に始まった国営土地改良事業の一環として注目され、期待されたこのモデル事業は、亀田郷内の1万ha余の耕作地の排水事業を推進させ、近代新潟農業の基盤を確立した記念碑でもある。かつての排水機場のコンクリート遺構の一部を掘り出してそ...
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29. 信濃川はかつて現在より25メートル高い位置を流れていた―天空に浮かぶ信濃川の航跡(2003年)

English version is available here.先述の越後妻有地域固有の資源(財産)目録の調査結果より、信濃川の流路の位置・標高の時代的な変化について注目した。現存する段丘上で発見された古信濃川の流路の痕跡と見られる地層から現在の信濃川本流との標高差を推測したところ、信濃川は1万年前には現在より25mほど上空を流れていたことがわかった。信濃川が河岸段丘を形成する過程を、旧中里村...
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26. 川はどこへいった(2000年)

English version is available here.大地の芸術祭の発足に当たり、株式会社アートフロントギャラリーから自然的・社会的条件を地域固有の資源目録(財産目録)として体系的に整備することを目的とした調査が株式会社リジオナル・プランニング・チームに発注された。その越後妻有の財産目録から地域の貴重な財産である水資源(信濃川の流況)の変化が明らかになった。この変化に着目した。越後妻...
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25. 大地の芸術祭(2000年)

English version is available here.大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレの基本コンセプトについて、それがどのように定義されたのか、あるいは十分な議論がされたのか否か、当時の資料などをもとに検証したい。当時行われた議論を検証する鍵となる記録が私の手元に残されている。1つは2000年7月に表参道・新潟館ネスパスで行われた展示「越後、妻有郷からつまりのこころ」の資料...